着付け 教室 埼玉についての意見
あるとき、六十代の女性がひざ関節の痛みのために、おつれあいといっしょにお見えになりました。
入って来られるとき、腰をかがめ足をかばうようにして、よたよたと歩いて来られました。
症状をお尋ねして、足を採寸し、足に合った靴を選んできしあげた後で、「ところで、少し良い歩き方をお教えしたいのですが」と申し出たところ、快く応じてくださいました。
さっそく十分ほど練習をして、背筋も伸び、元気良く歩けるようになったのを見て、おつれあいが、「いままで七、八十代の女性と歩いているような気分だったが、今日は四十代の妻を得たようだ」と言われました。
ご本人も嬉しそうでした。
その後ろ姿を見ながら、「歩き方はマナーだ」という、ドイツの生活習慣における歩き方は、実は健康と結び付いているのだと、つくづく感じました。
これまでお話ししてきたように、最近では合わない靴が原因で、いろいろの症状が起こっています。
足が痛む場合、腰痛、関節炎などの場合、いずれも専門医に診てもらう必要がありますが、同時に、靴を調整することで症状が改善される場合も少なくないのです。
この章では、私が経験し、お客様といっしょに悩み、相談し合いながら行った、さまざまな症状の改善例をお話ししたいと思います。
この改善に威力を発揮するのが足底板です。
私がドイツの健康靴を扱って驚かされたことの一つは、足底板の効用でした。
足底板は、ドイツでアインラーゲンと言います。
はく人の症状に応じて、または足の裏の形に合わせて、足の本来の働きをうながすために作られたこの板を、靴の底に敷くわけです。
ドイツの整形医学の研究から生まれたこの板は、たとえば腰痛をやわらげたり、外反母祉を矯正したり、足の筋肉の働きを回復させたりと、たいへん不思議な効果があるのです。
不思議と言っては語弊があるかもしれません。
科学の産物ですから、極めて合理的な、わかりやすい考え方で作られています。
現在の私たちの生活に靴は欠かせません。
高層ビルやマンション、舗装された固い路面に象徴される環境は、私たちの足にはたいへん苛酷な条件と言うことができます。
とても先祖のように裸足で暮らすことはできませんから、靴は建築物にたとえれば、もっとも大事な基礎部分ということになります。
基礎がしっかりしていれば、台風や地震のときも、天にそびえて立っていることができます。
ところが私たちの足の現状は、この基礎部分が傾いていたり歪んでいたりと、不安定になっている場合が多いのです。
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